2017年9月24日日曜日

夫婦で娘に英語を教えてみる

こんにちは、千明です。

つい先日、テレビ放送された『そして父になる』を見ました。いい映画ですね。僕は面白かった派です。

出産後に病院で子どもを取り違えられたまま、気づかずに他人の子どもを六年間育てた家族の話。真実を聞かされた二組の夫婦は、育ての子か実の子かという選択を迫られる。親として子を想いながら、あまりにタイプの違う二つの家庭は手探りで交流を深めていく。

映画はその様子を丁寧に描いていて、この辺りのディテールを大切にしています。自ずと際立ってくる家族のコントラストは、視聴者の心のなかに塵が積もるように働きかける仕掛けになっていて、家族観・子育て観についての自問自答の渦へ着実に誘っていく。地味で素直な感動作ですが、描くべきものを描くために描かなかったであろう無数のシーンに思いを馳せると、この映画の構成力すごいなって、内容以上にそっちに感動してしまった。普通に見えて実は攻めている作品っていいですね。妻とシェアして良かった映画ランキング不動の上位です。

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さて僕も結婚して七年目。二児の父親です。
五歳の娘の子育てについて話を一つすると、

夫婦で英語を教えています。

2017/06/23

寝る前に少しやる程度ですが、ほぼ毎日継続できています。「英語やる?」って聞くと娘は「やる!」って元気に返事をする。自分の部屋から英語学習用の絵本を持ってきて、絵を見ながら簡単な英文を布団の上でいっしょに朗読します。逆にこちらが誘わないと自分から「英語やりたい」と言ってきて「もう遅いし寝よう」と断ると酷くぐずります。

英会話教室に頼らず自分たちで子どもに英語を教えてみよう、そう思い立つと、この世は幼児向け英語教材が無数にあることがわかります。どれが良いのか迷うけれど、娘の顔を思い浮かべて「この子が楽しく取り組めそうなものは何かな?」と素直にイメージすると、ピンとくる教材とわりと出会えるような気がします。

うちの場合はディズニーであり、ソフィアでした。


娘はソフィアの絵をそらで描けます。幼稚園で使っている手提げ袋や上履き入れは、祖母がソフィア柄の生地でつくってくれたもの。誕生日ケーキは、近所で人気のケーキ店Bell's Heartで特注したキャラプレートがのっている


『ちいさなプリンセス ソフィア』は日曜の朝7:30からテレビ東京で放送されているディズニーアニメです。アメリカで数年前に放送されたものが輸入されて日本語で吹き替えられています。

この物語の設定はなかなかユニークです。ちょっと紹介すると、小さな村で靴屋をやっていた未亡人の女性が、妻に先立たれている子持ちの国王と再婚し、その娘である主人公ソフィアは村の普通の女の子から一気にプリンセスになってしまう、というもの。彼女は王族としての慣れない生活のなかで頻繁に戸惑います。

しかし本当にピンチのときは国王から譲り受けたペンダントがピカーと光り、その不思議な力によってディズニー映画でお馴染のプリンセス(シンデレラやベルやラプンツェル)が現れて、ソフィアに困った事態を切り開くための助言をしてくれます。それをヒントに、彼女は優しさと賢さと勇気を十分に発揮して目の前の困難を乗り越えていく。次第に国王側の連れ子である兄姉との関係も、また王立学校の友人達との関係もよくなってゆき、魅力的なプリンセスへと成長していく、というストーリーです。


妻の両親からも誕生日プレゼントとしてDVDシリーズをほぼ全部買ってもらっている。英語でも視聴可。


ソフィアは音楽がイケてます。物語のなかで挿入されるミュージカルは、ポップはもちろんゴスペルやラップ調のものまでと幅広く、どれも話の雰囲気に合わせて創られたオリジナルソングです。子ども向けアニメとは思えないほどクオリティの高いメロディも少なくありません。

ちなみに僕も妻もミュージカル部分は英語で視聴するほうが好みで、原語のほうが言葉の意味が意訳によって損なわれていないし、声優の歌声と曲のリズムが調和しているのでノリや心地よさが違うと感じます。

・・・とまぁ作品の紹介が少々長くなってしまったけれども、結局僕が言いたいのは、

子どもは自分の大好きな作品で学べるから英語学習が楽しくなる、これって結構大事なんじゃないかということです。

また、英語の勉強といっても幼い娘にとっては遊びに近い。他の遊びと同じように、親子間の楽しいコミュニケーションの一つとして取り組めているかどうかも重要なポイントだろうと思います。そういう意味でディズニー作品は本当に素晴らしく適しています。

Amazonで購入した英語教材。Reading Adventures Sofia the First Level Pre-1 Boxed Set
Adventures in Reading Disney Princess Level 1 Boxed Set (左上)


ディズニーが出版している幼児向けのEnglish learning教材を愛用しています。日本語は一文字もありません。

ちらっと中身をみせるとこんな感じ。


"A friend is someone who will play with you."

といったように、幼児向けですが、日本の義務教育課程であれば中学三年生でならう関係代名詞の用法も自然体で使われています。こうゆうところがユーザーとして気に入っています。褒めたいところはたくさんありますが、僕の意見なんかよりも紹介したいのは、絵本BOXに同封されている製作チームから親たちへのこの手紙(アドバイス)です。


妻に翻訳してもらいました。

【日本語訳】
保護者の方へ

読む力はお子さんが学校やその後の進路でうまくいくかどうかを示す最も大事な要素となります。多くの場合、読書を好む心の育成が始まるのは教室の中ではありません。家庭で始まるのです。

この10冊の本のセットは読書を始めたばかりのお子さんが将来も読書家になるように作られたお話を取り扱っています。
美しいイラストとわかりやすい本文でできているお話で構成されたセットです。

保護者の方とお子さんがこのセットを最大限に活用するためのヒントをお伝えします。

●絵について話してみましょう。お子さんが何についてのお話なのかを考え、それが正しいかどうかわかる手助けとなるでしょう。

●本文の下を指でなぞりながら、まずお子さんにお話を読んであげましょう。お子さんが話し言葉と書き言葉のつながり、英語は左から右へ読む決まりなのを理解するのに効果的です。

●保護者の方がお話を読んだ後、内容についてお子さんと話してみましょう。登場人物になりきって読めることは、お子さんがお話を十分に理解し、入り込むことができるようにするための大切な方法となります。

●お子さんが自分でお話を読めるように励ましてあげましょう。

子どもはひとりひとり異なる方法、速さで学びます。心に留めておいていただきたいことは、良い読み手にはある共通点があるということです。読書と学ぶことへの一生を通じた愛を育んでくれるのは、本をよく子どもとシェアする協力的で愛情溢れる大人なのです。

お子さんと一緒に読書を楽しみましょう!

いかがですか?自分はこれを読んでちょっと感動した。つくり手たちの願いと知恵がぎゅっと詰まった教材だなと感じました。



最後に、妻が敬愛する作家・村上春樹さんの考えについて触れておきます。

子供の頃の語学学習が一番必要なんだと言われればそれまでだけれど、普通の6歳の子供がどうしてバイリンガルにならなくちゃいけないのか僕には全然理解できない。日本語もちゃんとできない子供が表層的にちょこっとバイリンガルができてそこに一体何の意味があるのだろう?  
何度も言うようだけれど、才能とあるいは必要があれば、子供英会話教室に通わなくたって英会話は人生のどこかの段階でちゃんとできるようになる。大事なことはまず自分という人間がどういうものに興味があるのかを見定めることだろう。日本語の真の会話がそこから始まるのと同じように、英語の会話だってそこから始まる。

これは著書『村上朝日堂はいほー!』の一節です。アメリカ文学の翻訳家でもある村上春樹さんが日本の英会話習得ブームに対する違和感を率直に語ってみた、という世間への鋭い問いを含んだ内容です。僕ら夫婦は、このエッセイに何度頷いたことか!っていうくらい彼の考えに強く共感しています。

こういう外国語習得にかかる厳しい指摘を肝に銘じながら、それでもなお「夫婦で5歳の娘に英語を教える」という選択をしている。

もちろん娘のためなんだけど、実は自分たちのためでもある。夫婦で協力しながら子どもに社会的価値のある何かを教える、あるいは身につけさせるって、思いのほか楽しいんですよね。充実した会話ができるから夫婦の時間が面白くなるし、パートナーシップも成長するので家族関係は健やかになるし、子どもの自立心を刺激して養えるし。一口には語れない大きなメリットがいくつもあります。


以上が、娘のイングリッシュ・ラーニングの現状になります。


家庭教師や塾講師をやっている僕は、当たり前だけどよく「先生」と呼ばれます。自分を信頼してくれる若者たちを上手く指導できる良い先生になりたいとつねづね思っているのだけど、何よりもまず、愛する我が子に一流の教育を自前で実践できている父親でありたい。でないと「先生」として全く説得力ないよなーっと思うから。

というわけで、今後も折に触れて自分の子育てをブログで語っていくのでよろしくです。

ではでは。

2017年6月2日金曜日

志津図書館

僕も妻も娘もしょっちゅう使っています。蔵書数は約30万で佐倉市内の図書館で一番多い。外観も館内もキレイだし、雑誌や専門誌はもちろん絵本やDVD等の映像資料も充実しているし、風の谷のナウシカの原作(漫画全七巻)だって置いてある。職員のサービスも気持ち良くて、たとえば検索システムで印字したレシートを渡すと書架でも書庫でも素早く探してきてくれる。女性司書(小廣さん)による月一回の絵本の読み聞かせは、話上手でアドリブいっぱい、乳幼児と一緒に大人もほっこり笑って楽しめる。などなど、おかげさまでいつも心地よく過ごせています。そう感じているのは僕だけじゃないはず。街のみんなから愛され憩われている図書館だと思います。

志津図書館
9時~20時(月曜定休)
千葉県佐倉市西志津4丁目1−2 (2017年6月1日現在)

2017年5月7日日曜日

アナと雪の女王

僕は結婚している。生涯の伴侶として愛を誓い合った女性がいて、彼女とは夫婦関係を六年やっている。でもうち2年は別居していました。詳細は省くけど、要するに僕は結婚生活でつまずいてきた方だ。子供は二人います。五歳の娘と生後半年の息子。彼らの愛くるしい笑顔と元気なドタバタで我が家はいつも賑わっている。子供たちの健やかな成長は喜ばしいし、目の前の明るく楽しい家庭の景色にはとても満足していて、ささやかな幸せを感じる今日です。


さて愛とはなんでしょう。あらためて、人を愛するってどういうことなのか。恋愛して、結婚して、家庭を持って6年が経って、齢33歳になる自分は、そろそろ愛の何たるかが分かってもいいおっさんかもしれない。たとえば今日、僕が妻や子を愛するということ。たとえば今、あなたが大好きな彼を愛するということ。その愛する気持ちに本物か嘘かを言うのは難しいのだけれど、人生の岐路に立たされるような瀬戸際では、それは自分への重要な問いになりうるのだ。



アナ雪のテーマは真実の愛。

アナの心に刺さったエルサの魔法を解くものは真実の愛だけ。それをトロールから聞いたアナは恋仲のハンスのもとへ向かう。しかし実はハンスは悪い奴で、アレンデール王国を乗っ取るつもりで近づいたにすぎず全くアナを愛してはいなかった。ビビビっと恋に落ち、結婚を誓いあい、信頼して国営の代理まで任せていたのに、彼の本意はエルサもアナも殺して国を混乱から救った英雄になることだった。

偽りの愛だと知って愕然とするアナにオラフが助言する。「愛っていうのは、自分のことより相手を大切に思うことだよ。クリストフがアナをハンスに託したようにさ」それを聞いたアナは、エルサと国を救うための苦難を共にし、ずっとそばで自分を助けてくれていたクリストフのもとへ向かう。

この流れのまま、本当に愛してくれる人とのキスで氷の魔法が解けて、運命の人が王子様じゃないのがちょっと意外でイイ感じで、想い合う二人が結ばれてよかったね、チャンチャン。っていうのが、ディズニー映画に慣れ親しんだ視聴者の想定しちゃうところなんだけれど、物語は良い意味で裏切ってくれた。

魔法を解くのはクリストフではなくアナ自身だった。しかも、クリストフに駆け寄って愛されようとするアナではなく、ハンスの剣からエルサを捨て身で守ろうとするアナだ。命がけで大切にされるのではなく、命がけで大切にすることのなかに、真実の愛がある。異性とのロマンスをあえて脇に置くことで、予定調和の斜め上を見せ、かつ、真実の愛について少し深く考えさせてくれる。

アナの愛はエルサの凍った心を溶かした。エルサもまた愛を理解し、怖れは消え、魔法の力をコントロールできるようになり、国は暖かさを取り戻す。エルサはアナを自分より大切に思ってはいたが、それも真実の愛ではなかったのだ。彼女の愛は、怖れのほうが勝っていたから。

王女姉妹は同時に愛を理解した、お互いの存在によって。という物語です。ありのままでいいのよー、家族や社会的責任から逃げて世を捨てても自分に正直がいいのよー、では終わりません。エルサは偽らなくなったがゆえの孤独と解放を経て、自立し、人を愛する意志と人から愛される喜びに還ります。

アナ雪、なかなか面白かったよ。

2017年4月9日日曜日

【家庭教師インタビュー】第一志望の高校に受かった男の子の回答

合格おめでとう。よくやったね。こんなに喜んだのは息子が誕生したとき以来です。お母さんからLINEで「合格しました!」って報告をもらったときは嬉しくて、職場の休憩室でガッツポーズしました。本当によかったね。

家庭教師として教えたのは中二の五月からです。僕らは19カ月のあいだ一緒に勉強したことになります。受験を終えて、君の勉強生活を今一度ふり返って質問させてください。



 一、合格者の掲示板で自分の受験番号を見つけた。そのときの気持ちを教えてください。


合格発表は思ったよりずっと小さな掲示板だった。テレビの画面二つ分くらいしかなくて。○○番あたりの自分の番号を探そうと気構えていたのに、発表されてすぐに見つけちゃって「え?」みたいな感じでした。

 

二、その日は家族とどんな話をしましたか?


よっしゃあ受かった!って帰ってお母さんに報告しました。受かってよかったねとか、私立高校じゃなくてよかったねとか、そんな話をしたあとはギャーギャー騒いでました。


三、最後の一カ月で学力が大きく伸びたよね。V模試の過去問集をやりまくっている姿を見て意欲と集中力がグンと高まっているなと感じていました。大好きなスマホゲームのクラロワも「入試が終わるまでは絶対にやりません」と自主的に封印したし、「面接の練習をやってくれませんか」と学習指導後に頼んできたこともあった。いよいよ受験まであと少し、そうなってからの頑張りには合格への確かな意志が見て取れました

本気だったね。勉強に対する●●君の本気を初めて見ました。

この時期、どんな考え方をもってどう勉強していたのですか?

 

「ここまで来たなら受かりたい!」って思いました。残り一カ月になってからの勉強はやばかったですね。あの集中力は、絶対に一年はもたない。受験前じゃないと無理。それと「早くゲームしたい」とばかり思っていました。だからなんとか前期試験で受かりたい、後期試験まで終われないのは嫌だなって。

勉強はというと、直前だし丸暗記をがんばろうと思った。あるじゃないですか、五教科ポイント集。あれをそのまま暗記しようとしたけどぜんぜん覚えられなくて、この方法はダメだなって。そこで、先生からもらったV模試の過去問集を解いてみる、そして答えをみる、というのを繰り返しました。するとだんだんわかるようになってきて。

僕のやり方は、一問やったらすぐに答えと解説を見ることも多いです。分からないまま進むと、あってるのか間違ってるのかが気になっちゃうんですよね。答え合わせを後でまとめてやると、その時その問題で自分がどうして迷ったのかを忘れちゃうから、次の問題をやるよりも忘れないうちに答えを見ちゃいたい。なんていうかな、「おれがちょっとわからないなと感じてる部分」をわかっている状態で解説を見ると、印象に残って覚えられるんです。

やらなかったものと言えば、国語の文法。途中でやめちゃいました。クソつまらなくて。文法なんておれ要らねーわって思っちゃってるし。こんな気持ちでやるくらいなら他の勉強をしたほうがいいと思いました。

英語も嫌でしたね。何をやっても伸びないし、単語を覚えてもすぐ忘れる。やっぱ忘れるってことは、基本的にどうでもいいと思っちゃってるんですよね。自分に必要ないっていうか、必要を実感できてないというか。

英語や国語の文法の勉強をイヤイヤやっても、これ絶対に本番前には忘れちゃうなって思いました。だから先生との勉強時間だけです。英語...まぁ高校に入ってからちゃんとやります。

 


とにかく、公立高校の過去問とV模試の過去問を解きまくる、その答えを見る、ということの繰り返しです。たくさん解いて、答えを見て、なんで分からなかったのか理解しようとして、ポイント集を見て、暗記する。 

そういうことをやっていくうちに面白くなってくるんですよ。例えば歴史は、出来事や人の名前は知ってるけど年代はもやもやしてわからない、みたいな感じで知識がバラバラだった。そのバラバラが頭のなかで整理されてくる。面白くて、短い期間でも集中できたから結構できるようになりましたね。ふりかえると直前の一カ月の勉強はほとんど社会です。最も伸びしろがあったからです。

他の教科はというと、国語は、今以上の点数を望んでも努力というよりセンスで決まっちゃうなとそれに手元の国語の過去問は解き終わっちゃってたから勉強しにくい。

数学は、一番やってきて一番得意な科目だけど、これ以上勉強するのは正答率5%の難問を解けるようにする努力。そこまではしなくていいかなって。難しい問題も優しい問題も同じ5点だから、数学をこれ以上あげるのは難しいって思った。

理科はもともと好きだし興味ある内容が多いから、ある程度はわかるんです。でもわかっているつもりでテストやってみると、理解がちょこちょこ抜けている。正直わからないところがわからない状態です。そのあたりまでカバーして全部やろうと思うと時間がかかり過ぎちゃうなって。平均点は超えられるから、理科の勉強はもういいかなと。

一番苦手な英語は、すぐ忘れちゃうし、わからなすぎて間に合わないし、くそつまんないからもういいかなと。

社会は、模試の結果を見ても、本番で下手したら英語と同じくらい悪くなる。でも頑張って暗記すればしっかり点を取れるなと思えたから、いまはこれを勉強した方がいいだろうと。それに地理は嫌じゃなかった。これは覚えたほうがいいだろうなとか、なるほどとか、勉強する意味や分かるようになる手ごたえがありました。

数学の証明問題なんて、もっと勉強すればできるようになるかもしれないけど、その時々でけっこう問題のパターン違うから、難しい問いまでやってらんないですよ。やっぱ伸びしろのある社会。そう決めてからは、勉強時間の6割が社会。3割が理科。国語はほぼやってない。英語もほぼやってない。他は数学の不安なところ、例えば文字式の問題とかです。まぁほぼ社会と理科でしたね、最後一か月前の勉強時間の内訳は。

そんなことで、受験直前は社会の勉強を一番に頑張れました。なぜ社会か、なぜこういう勉強方法になったのかって聞かれたら、そういう筋道を立てて勉強できた理由はやっぱり「受験で受かりたいな」って本当に思えたからですね。
                                                                                   

四、僕は●●くんにとってどんな人でしたか?

厳しい?優しい?頼りない?役に立つ家庭教師?ガチで語れるクラロワ仲間?思い浮かぶことを正直に書いてみてほしい。


そうです。自分の気持ちをそのまま話せて、役に立つ家庭教師で、ガチで語れるクラロワ仲間でした。



五、●●くんは成長したと思います。自分ではどう思う?たとえば、公立高校の前期入試が終わり合格発表を二日後に控えた最終指導日のことです。

合格への手ごたえを感じながらも「これで落ちてたら自分には難しかったんだと諦められます」と清々しかった。自分のしてきた努力にも本番で発揮できた力にも納得しているように見えた。「なんか今日はもう後期試験のための勉強はする気になれません」っていうもんだから、しょうがないなーって笑いながらペンを置き、ざっくばらんにお喋りをしましたね。

「何でおれは勉強が嫌いになったんだろう」って過去の自分を振り返りながら真摯に語ってくれました。その最後に「勉強が嫌いなやつの気持ちが今はわかります」と。そして昔の自分のように勉強が苦手な弟くんに今は数学を教えているのだと聞いて、あぁ成長したなって感慨深く思ったんだ。

気づいたこと、できるようになったこと、わかるようになったこと、いろいろあると思います。この二年間で、自分って成長したなぁと思うことについて教えてください。


勉強に対しての考え方や、頑張るようになったところが成長したと思います。

(記入済みアンケート用紙を手元に置きながらインタビューで)

千明「もうちょっと詳しく聞かせてよ」

●●「覚えてますよ、最後の指導日にした話。言われてみるとそんな話ができたのも成長したからですね。でも未だ文章でこうゆうことを書けないんですよね。口だと上手く言えても文章だと難しい。先生はよく書けるなーって凄いと思う。あと勉強とかゲームしてると書く時間なくなっちゃうし。あ、今は勉強してないか」

千明「ゲームかい」


六、僕らはたくさんの本と記事をシェアしたね。

その中で一番面白かった記事は何ですか。

 

マッチ売りの少女。

あぁこういう視点もあるんだなって面白かった。普通じゃない見方だなって。最初のころ渡された記事だから余計に印象深かったです。先生が書いた記事だったんですね。

http://honshare.blogspot.jp/2015/12/blog-post_16.html


また一番面白かった本はどれでしたか。


もちろん『嫌われる勇気』。


七、本や記事をシェアする勉強法ってどうだった?


国語、急に伸びましたからね。国語の勉強をしっかりやってたわけじゃないのに、急になんか、文章の抜き出し問題ができるようになってた。不思議な伸び方しましたね。なんでわかるようになったのか、自分でも国語だけは未だに謎なんですよ。抜き出しなさいの問題が全部解けなかったんだもん。抜き出し問題なんて簡単な方なのに。質問の意味がわからなかった、というか、もう全部わかんなかったんですね。そんな状態からいつの間にかできるようになってて、ラッキー、国語ラッキーって思ってます。

勉強がすごく嫌いだったけど、本を読むのは嫌いじゃなかったし、あまり勉強してる感じがしなくてやりやすかったです。以前は、例えば皮肉とか、裏に違う意味があるような、なんか含みのあるような、そういう言葉の意味がぜんぜん読めていなかった。前よりも文章が理解できるようになって、国語力って大切だなって凄く思うようになりました。他の教科の勉強も国語力が基礎なんだなって気づいたし。『嫌われる勇気』みたいな、面白いなって感じられる良い文章にたくさん触れてよかったです。



八、僕と君が一番シェアした本は千葉県公立高校入試の過去問です。学習指導を始めたばかりのころに「誕生日プレゼントだよ」って冗談交じりにあげたの、覚えていますか。二年生の夏というかなり早い時期から君の机の上にはずっとあって、その頃から地道に一緒に取り組んできましたね。

入試の過去問に日常的に向き合い続ける、という勉強法はどうでしたか?


やっぱり中学の勉強のゴールは高校受験だと思うので、必要なことを勉強していると思えて意欲的に学習できました。

過去問をやるって、つまり入試のための勉強だから。やっぱ自分にとって必要なことをやっている実感があるとやる気が違いますね。あと先生に過去問をもらったばかりの頃、まだ習ってないやつができた!って嬉しくなりました。 

 

十、勉強魔人覚えてる?あのイラストの続きを描いてください

2015年8月

2017年3月

最後に

●●君と僕は家庭教師と生徒として出会いました。手元の指導カルテには、お父さんお母さんと君自身が家庭教師に期待することが書いてあります。

テストで平均点をとれるようにしたい。

第一志望は八千代東高校。

この期待に応えることができたことが嬉しい。そして、君が君自身の期待に応えることができたことを本当に喜ばしく思っています。

これまで学校の定期テストや高校進学のための受験勉強をサポートしてきたけれども、それは何のためかといえば、人間として賢く逞しく生きるために必要な知性と心のあり方を身につけてほしいと願っていたからです。

これからもよく学んで自立した人になってください。●●君とのご縁を全うできて良かったです。ありがとう。

千明 公司




2017年3月18日土曜日

【家庭教師アンケート】息子の高校受験を終えたお母さんの回答

●●さんへ

高校合格おめでとうございます。合格発表の当日、お母さんからLINEでご一報を頂いたときはとても嬉しくて職場の休憩室でガッツポーズしました。本当によかったですね。

家庭教師として●●君を教えたのは彼が中学二年生の五月からでした。19カ月のあいだ一緒に勉強したことになります。決して短くはない期間、毎週ご自宅へ上がらせてもらって仕事をさせて頂きました。これまでの厚い信頼と無数のお心遣いにあらためて感謝申し上げます。

今は公立高校の後期試験も終わり、中学校の卒業式を間近に控えていらっしゃいますね。親として子の将来のための学生生活を支える。そこには様々な想いがあったことと思います。そのあたりをお二人に質問させて下さい。●●さんの家庭教育にご縁のあった教育者として、その声を大切に受け取り、今後の教育活動に生かしたいと思っています。


一、第一志望校の合格の知らせを聞いた。そのときの気持ちを教えてください。

うれしかったです。私立の学費とくらべて金銭的にも安心しましたが…
とにかく、息子の頑張りが報われてよかった。すごく清々しい表情をしていたので、努力することはムダにはならないと本人も感じてくれたのだと思いました。


二、その日、ご夫婦でどのような会話をされましたか。

息子は勉強が嫌いだから遠くの高校では通うのもきっと嫌になってしまうので、近所の学校に決まって良かったという事。高校に入ってから自分のやりたいことが見つかればいいという事。あとは、千明先生があきらめずに頑張ってくれたという話をしました。


三、家庭教師に任せようと決めた。当時はどのような状況で、どんな想いを抱えていらっしゃいましたか?

息子はADHDであると診断されています。集団授業では集中できず、塾では学校の授業と同じでうまくいかないと思いました。家庭教師は息子のレベルに合わせて一対一で授業をしてくれるので本人のためになるだろうと。先生との相性も不安でしたが、合わなければ変えてもらえるというシステムだったので信頼しました(当時は家庭教師センターを利用)。息子は本当にめんどくさがりで塾に行く時間をムダだと思ってしまうから、自宅に来てもらえる家庭教師に決めました。


四、わが子に勉強してほしい。高校へ進学してほしい。そのお考えには、どのような願いが込められているのでしょうか。

大学に進むにも専門学校に進むにも高校に行くのは当たり前であって、就職するにしても中卒では選択肢が少なくなってしまう。あとで後悔しても高校生になることはできないので、とりあえず高校に行って自分の可能性と見える世界を広げ、何か夢中になれるものを見つけてほしいと思ったからです。また高校受験という経験を通じて、頑張って勉強して何か一つのことを成功させた、という自信をつけてほしかったからです。  


五、最後のご挨拶に伺った日、お母さんは恐縮しながら「先生に本当に任せっきりで」とおっしゃっていましたね。僕はいつも、お二人から信頼して任せてもらっているのだと、有り難く感じていました。
僕を家庭教師として信頼できると感じて下さったのはなぜですか。

前は大学生の家庭教師で、開始時間ぴったりに来て終了時間ぴったりに帰り、 やる気があまり感じられなかった。指導当日になってからの急な予定変更も度々ありました。千明先生は息子の集中力によっては指導時間を前後したりと、一番に息子のことを考えて授業をしてくれていた。何回か授業をしているのを見て、息子もすごくやる気が出ているし「先生の授業はわかりやすいし楽しい」と言っていたので信頼できました。



ご回答ありがとうございました。 


最後に。

家庭教師の仲介センターから引き継いだときに手渡された指導カルテが手元にあります。保護者からの期待として次のことが述べられていました。

「先生はできれば男性で、礼儀と常識のある人」
「学校のテストで平均点がとれるようになる」
「第一志望は八千代東高校」

当初の願いと頂いた信頼に応えることができたのであれば、それは皆で力を合わせた賜物であり、僕としては本当に喜ばしい限りです。●●さんとご縁があってよかったです。
ありがとうございました。